FF9最強武器の真実(最強が“最適”とは限らない)
FF9における「最強武器」と言えば、カタカナの謎メッセージが特徴的な専用武器たち。その中でも特に話題となるのがスタイナーの「エクスカリバーⅡ」だが、これは最終ダンジョンの深部に12時間以内で到達しなければならないという、非常にシビアな条件がついている。
だが、真に“最適”な武器は意外にも店売り品の「オリハルコン」だったりする。理由は「速さ+1」の補正が非常に強力だからだ。特にジタンはデフォルトで9999ダメージを叩き出しやすく、火力過剰になりがちなアルテマウェポンよりも実用性で勝る。
他にも、ビビの「発覚棒」はメイス・オブ・ゼウスより属性吸収効果で有利に立てるなど、最強=最適ではない点がFF9の奥深さを物語っている。
ラスボス“永遠の闇”の正体(クリスタルに宿る恐怖)
FF9のラスボス「永遠の闇」は、突如現れた謎の存在として多くのプレイヤーを困惑させたが、実はその正体には深い意味がある。
公式の解釈によれば、「永遠の闇」は“命あるものが持つ終焉への恐怖”がクリスタルに蓄積し、召喚獣のように具現化した存在とされる。これはラムウやマディンなどの召喚獣が伝承から生まれるというFF9世界観と同じ構造で、つまり「永遠の闇」もまた“召喚された存在”なのだ。
終わりを恐れ、絶望に支配された人々の想念が生んだ具現。それこそが永遠の闇であり、FF9の物語テーマ「生と死」「存在の意味」を象徴する敵でもある。
意外すぎるレアアイテム(とかち&西武ザインの存在)
代表的なレアアイテムといえば「エクスカリバーⅡ」だが、それ以外にも見逃されがちなアイテムがある。たとえば「とかち」。その正体は一見するとただのハンマーだが、ステラツィオ13枚を集めることで手に入る超レア品だ。
しかも攻撃力は12、装備できるのは劇団のシナだけというネタ武器。しかし、これを「武力の鎧」の錬成素材に使うことで、スタイナーの最強防具が手に入る。さらに、とかちをエンディングまで保持していると、シナの芝居に変化が起きるという小ネタ付き。
もう一つは「西武ザイン」。これはハーデスにジャベリンとディスカッション(いずれもディスク1限定で購入可能)を渡すことで合成されるが、装備可能キャラは存在しない。実はベアトリクス専用の没武器で、完全なるコレクターアイテムとなっている。
トレジャーハンターSランクの証(ギルガメッシュの正体が判明)
トレジャーハンターのランクSを達成すると手に入る「ランクSの証」。これは特別な性能を持つわけではなく、勲章的なアイテムだ。
だが注目すべきは、Sランク到達後に現れるイベント。この際に登場する“四本腕の男”こそが、歴代FFシリーズでお馴染みの「ギルガメッシュ」であることが明かされる。性格やデザイン、そしてネーミングからも察しはつくが、ここで明確に設定が繋がるのが嬉しいポイント。
FF9の世界にも他作品とのつながりを匂わせる演出があることを、物語全体の深みとして感じ取ることができる瞬間だ。
最強の裏ボス“妻”の謎(正体はプレイヤーの想像に委ねられる)
FF9の最強の敵とされる「妻」は、回復・高火力・素早さと三拍子そろった驚異的なボス。その正体は明かされていないが、ネット上では様々な考察が飛び交っている。
有力な説としては、召喚獣のなれの果て、忘れ去られた記憶の濃縮体、兵器化された存在などがある。精霊イベントをすべてこなすことで若干の弱体化が可能となるが、それでも難易度はトップクラス。
また、妻を倒した状態でハーデスと戦うと、彼が妻を倒したプレイヤーに驚愕するセリフを言うという、遊び心あふれる演出も見逃せない。
キャラデザの元ネタを探れ(髭の皇子と戦艦のルーツ)
FF9のキャラクターデザインには元ネタが存在している。たとえばシド侯爵の髭は、アニメ「∀ガンダム」のデザインを手掛けたシド・ミード氏の作品をオマージュしているとされており、実際にスタッフもコメントを寄せている。
また、最強召喚獣アークのデザインは、PCゲーム『ブラスティ』の主役メカが元ネタだとされる。資料集には「コードネーム:ブラスティ」と記載されており、開発者の想いが込められたデザインとなっていることがうかがえる。
“原点回帰”をテーマにする本作ならではの、こうした元ネタのリスペクトは見逃せない。
ストーリー演出の細かすぎるこだわり(ポーズ・魔法陣・影の描写)
FF9は演出面でも驚くほど丁寧に作られている。戦闘後の勝利ポーズがキャラの心理状態によって変化したり、特定のイベント時にはポーズ自体をしなかったりするなど、感情の描写が非常に細かい。
また、ラスボス撃破後に表示される魔法陣にはくじの紋章が使われており、くじが最後の瞬間にジタンをワープさせたと解釈できる演出になっている。
極めつけは、ビビが姿を消した後のエンディングで、ダガーとジタンが抱き合うシーンに“ビビのような影”が映り込んでいるというファンの考察。これが意図された演出なのか偶然なのかは不明だが、FF9の奥深い感動をさらに高めているのは間違いない。
まとめ:FF9は知れば知るほど味が出る「熟成型名作」
FF9は、一見するとシンプルで王道なRPGに見えるが、実際は緻密な世界観・キャラ設定・演出が練りこまれた「噛めば噛むほど味が出る」作品だ。今回紹介した隠し要素や裏設定を知ったうえでプレイし直せば、まったく違う物語が見えてくるはずだ。
リマスター版での再プレイを検討している人は、ぜひ今回紹介した要素を意識してみてほしい。FF9は、20年以上経ってもなお語りたくなる“宝物のようなゲーム”である。