SRX300でcluster(HA)構成設定をする際の注意点を記載します。
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設定上の注意点
SRX300でcluster構成を組む場合、ポート構成が下記のように制限されます
Gi 0/0/0 監視用ポート(運用ポート) fxp0になってしまうため、データポートとして使用不可
Gi 0/0/1 コントロールリンクになる
Gi 0/0/2 データリンクとして使用する ※このポートは設定で変更可能
ポート構成
データラインで使えるポートは、実質0/0/3-0/0/7までの4ポートとなる。
primary側では
Gi 0/0/0 監視用ポート(運用ポート) fxp0になってしまうため、データポートとして使用不可
Gi 0/0/1 コントロールリンクになる
Gi 0/0/2 データリンクとして使用する ※このポートは設定で変更可能
secondary側では
Gi 1/0/0 監視用ポート(運用ポート) fxp0になってしまうため、データポートとして使用不可
Gi 1/0/1 コントロールリンクになる
Gi 1/0/2 データリンクとして使用する ※このポートは設定で変更可能という表記になります。
設定削除
はじめに設定を削除します。
root# delete This will delete the entire configuration Delete everything under this level? [yes,no] (no) yes
この理由は、上記に記載した0/0/0-0/0/2のポート設定があった場合、cluster構成がうまく動作しないからです。
また、この後設定する設定で、0/0/3以降のポートもあるとcluster設定をする上でポート設定があるとうまく
cluster設定ができないため、とりあえず全部削除する方法をとります。
全部削除できない状態なら、インターフェイス0/0/0-0/0/2までをとりあえず削除すれば問題ないです。
次に、必要最低限の設定(root パスワー ド)を適用します。
root# set system root-authentication plain-text-password New password: Juniper123 Retype new password: Juniper123 root# commit
それぞれの機器の Chassis Cluster 設定を有効に設定
root> set chassis cluster cluster-id 1 node0 reboot ※1台目 にて実行 root> set chassis cluster cluster-id 1 node1 reboot ※2台目 にて実行
Chassis Cluster 有効化後の処理
それぞれの機器の再起動処理後、Chassis Cluster の設定が有効となり、接続中の control リンクを通じて機器同士を認識し 合うためのやり取りが発生し、おのおのの機器が設定の node ID に応じて、primary および secondary のクラスタ機器として 動作します。 (※再起動後の処理に、10分程度かかることがあります。)
機器固有設定の指定
これ以降は、primaryノード側のみで設定変更します
※プロンプトに {primary:node0} が表示されていれば、OKです
確認後、機器の configuration モードに移動し、次の設定により、それぞれの機器の固有設定を指定します。
(※設定例では、それぞれの機器ホスト名を SRX300-1 と SRX300-2、管理専用インタフェース IP を 172.20.1.11/24 と 172.20.1.12/24 と設定しています。)
{primary:node0} root> config shared {primary:node0} root# set groups node0 system host-name SRX300-1 root# set groups node0 interfaces fxp0 unit 0 family inet address 172.20.1.11/24 root# set groups node1 system host-name SRX300-2 root# set groups node1 interfaces fxp0 unit 0 family inet address 172.20.1.12/24 root# set apply groups ”${node}”
fabric リンクの設定
fabric リンク(Chassis Cluster のデータ用リンク) fab0 と fab1 に、それぞれの機器のインタフェースを割当てて設定します。 (※こちらの例では、fab0 に ge-0/0/2、fab1 に ge-1/0/2 を割当てて使用します。)
{primary:node0} # set interfaces fab0 fabric-options member-interfaces ge-0/0/2 # set interfaces fab1 fabric-options member-interfaces ge-1/0/2
redundancy グループの設定
ルーティングエンジンの冗長用の redundancy-group 0 と、インタフェース(データプレーン)の冗長用の redundancy-group 1 および、それぞれの冗長グループにおける各機器 node (node 0、node 1)のプライオリティを設定します。 (※プライオリティは大きい数字が優先されます。)
{primary:node0} # set chassis cluster redundancy-group 0 node 0 priority 100 # set chassis cluster redundancy-group 0 node 1 priority 1 # set chassis cluster redundancy-group 1 node 0 priority 100 # set chassis cluster redundancy-group 1 node 1 priority 1
interface モニタリングの設定
個々のインタフェースのリンクダウン障害の発生時に、データプレーン(redundancy-group 1)の切り替えを自動的に動作させる ためのインタフェースモニタリング機能(interface-monitor)を個々のインタフェースに設定します
{primary:node0} # set chassis cluster redundancy-group 1 interface-monitor ge-0/0/3 weight 255 # set chassis cluster redundancy-group 1 interface-monitor ge-0/0/4 weight 255 # set chassis cluster redundancy-group 1 interface-monitor ge-1/0/3 weight 255 # set chassis cluster redundancy-group 1 interface-monitor ge-1/0/4 weight 255
冗長インタフェースの設定
冗長インタフェース数の上限(reth-count)を指定し、冗長インタフェース(reth0、reth1)を設定してデータプレーン(redundancygroup 1)に割当て、それぞれの IP アドレスを設定します。 (※それぞれの冗長インタフェース reth0.0 を 10.10.10.100/24、reth1.0 を 192.168.1.2/24 に設定しています。)
{primary:node0} # set chassis cluster reth-count 2 # set interfaces reth0 redundant-ether-options redundancy-group 1 # set interfaces reth0 unit 0 family inet address 10.10.10.100/24 # set interfaces reth1 redundant-ether-options redundancy-group 1 # set interfaces reth1 unit 0 family inet address 192.168.1.2/24
インタフェースの割り当て設定
冗長インタフェース(reth0、reth1)に、機器 A と機器 B のインタフェース(機器 A : ge-0/0/3、ge-0/0/4、機器 B : ge-1/0/3、ge1/0/4)を割り当てます。
{primary:node0} # set interfaces ge-0/0/3 gigether-options redundant-parent reth0 # set interfaces ge-1/0/3 gigether-options redundant-parent reth0 # set interfaces ge-0/0/4 gigether-options redundant-parent reth1 # set interfaces ge-1/0/4 gigether-options redundant-parent reth1
セキュリティゾーンの設定
セキュリティゾーン(Trust、Untrust)を作成し、それぞれのセキュリティゾーンに冗長インタフェース(reth0、reth1)を割当てます。
{primary:node0} # set security zones security-zone Untrust interfaces reth0.0 # set security zones security-zone Trust interfaces reth1.0
設定の適用
commit コマンドを実行し、設定した内容をクラスタ構成に適用します。 primary にて commit した内容は、自動的にsecondary に適用され、Chassis Cluster の設定は完了となります。
{primary:node0} # commit node0: configuration check succeeds node1: commit complete node0: commit complete
動作の確認
次のコマンドを使用し、構成が完了した Chassis Cluster の動作状況を確認すること ができます。 (※インタフェースのモニタリング設定を適用しているため、正常な動作状態を確認するには、 reth0.0 および reth0.1 のインターフェイスがリンクアップしている必要があります)
> show chassis cluster status ※クラスタ全体のステータス確認 > show chassis cluster interfaces ※クラスタインターフェースの確認 > show chassis cluster statistics ※クラスタ関連の動作数値の確認 > show chassis cluster control-plane statistics ※コントロールプレーンの統計データの確認 > show chassis cluster data-plane statistics ※データプレーンの統計データの確認 > show chassis cluster status redundancy-group 1 ※冗長グループ redundancy-group 1 のステータス確認
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