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【徹底解説】アンダーテールの秀逸ミスリード10選|あなたも騙された巧妙トリックの正体とは?

アンダーテイル

アンダーテールの物語は、プレイヤーの先入観を巧みに利用する数々の“ミスリード(意図的な誤誘導)”で彩られています。語られた代表的な10の仕掛けを徹底解説。なぜ私たちは誤解し、どのようにして真実へ辿り着くのか――そのロジックを紐解きながら、作品の奥行きを味わい尽くしましょう。

オープニングで主人公だと思わせる罠(ミスリード①)

物語冒頭、金色の花畑に落ちる子どもが映し出されます。多くのプレイヤーはこれを主人公フリスクだと断定しますが、実際は「最初に地底へ落ちた人間」。体格・髪型・横縞シャツなどの類似点で錯覚を誘い、唯一の差―横縞の本数や上下の色違い―を意図的に目立たせない構図が秀逸です。そもそも当初は主人公として描かれた絵コンテのミスを逆手に取り、物語の伏線へ昇華させた開発秘話は有名。

キャラの記憶が語る“誰への呼びかけか”(ミスリード②)

ゲームオーバー時やベッドで眠った際、脳裏に響く声はキャラの生前の記憶。ここで呼ばれる名前はプレイヤーが最初に入力したもの=落ちた人間の名です。声の主を主人公と思い込んだまま進むと、終盤まで正体を取り違えたまま物語を読み解くことになります。

名前入力画面が仕掛ける二重の誤解(ミスリード③)

「落ちた人間に名前をつけてください」という文言。オープニング映像と連続した流れで提示されるため、大半のプレイヤーは“今操作するキャラクター”に名前を与えたと勘違いします。しかしゲーム開始後に動かすのはフリスク。演出上はオープニングの続きに見える花畑スタートも、誤解を補強する巧妙な接続点です。

モンスターたちの呼称が生む空白(ミスリード④)

トリエルは「あなた」、サンズは「あんた」、アンダインは「貴様」。モンスターは決して主人公の本名を尋ねません。“人間”とぼかすことで、プレイヤーに「自分の名=入力した名」という誤認をキープさせます。会話上も不自然にならないため疑念が湧きにくいのがポイント。

鏡が映す“自分”という罠(ミスリード⑤)

遺跡やニューホームの鏡を調べるとフレーバーテキストは「自分だ」とだけ表示。ここでも名前を伏せ、主人公の素性を敢えて曖昧にします。虐殺ルートでは赤文字で入力名が映り、キャラの存在をほのめかす仕様。平和路線のプレイヤーほど真実に気づきにくい仕組みです。

棺桶に刻まれた“あなたの名”(ミスリード⑥)

謁見の間奥の棺桶部屋。最前列の棺桶を調べると、刻まれているのはプレイヤーが付けた名前。初見では「自分が殺され、この棺桶に入れられるのか」と震え上がりますが、実際は落ちた人間=キャラがかつて納められていた棺桶。虐殺ルート終盤のフラウィの台詞やアズリエルの赤文字コメントで真相が浮上します。

ステータス画面が隠す正体(ミスリード⑦)

メニューを開けば表示されるのはフリスクのはず――ところがそこには落ちた人間の名前。キャラが主人公に取り憑いているのか? あるいは二人は同一人物なのか? 謎を呼ぶ仕掛けであり、アズリエルの“見間違い”エピソードが疑念を深めます。

LOVE=愛? 実は暴力指数(ミスリード⑧)

序盤でフラウィから聞く「LOVE(ラブ)」の説明。“レベルオブバイオレンス”という残酷な意味を隠し、「愛を配るほど上がる」と語りプレイヤーを油断させます。レベルアップ=善行というゲーム慣れした固定観念を突き、罪悪感を希薄化。後に真相を知ったときの衝撃は計算ずくです。

悪の王と思わせたアズゴア像(ミスリード⑨)

遺跡を出る時点でトリエルは「外へ出ればアズゴアに殺される」と警告。さらにアンダインの発言も相まって“ラスボスの暴君”像が形成されます。しかしニューホームのエピソードや庭で水やりをする姿を見て一転、温厚な父親像へ反転。プレイヤーが抱いた恐怖を反故にし、同情心を芽生えさせる見事な二段構えです。

キャッチコピーの巧妙な余白(ミスリード⑩)

「誰も死ななくていい優しいRPG」という触れ込みは、“殺さなくてもクリアできる”可能性を示すだけで「殺せない」とは言っていません。実際、ゲーム開始直後にフラウィは「殺すか殺されるか」と宣言し、敵も容赦なく攻撃してきます。“可能”だからこそ芽生える誘惑を利用し、プレイヤー自身の選択を映し出す鏡と化すのです。

まとめと考察(誤解が生む物語の深み)

ここまで10のミスリードを追体験すると、アンダーテールがいかに“先入観”を物語演出に取り込んでいるかが見えてきます。オープニングからキャッチコピーに至るまで、ほぼ全方位で敷かれた誤誘導は、プレイヤーが抱く疑念や驚き、その後の行動までも計算済み。誤解が解けるたび、物語の多層構造と作者トビー・フォックス氏の緻密な手腕に唸らされるはずです。

“理解したつもり”を覆す楽しさこそがアンダーテール最大の魅力。もしあなたがまだ真実を見届けていないのなら、次の周回でぜひ違う選択肢を試し、取り残した伏線を回収してみてください。騙されるたびに深まる感動――それがこのゲームの真骨頂なのです。

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