show interface trunkとは
show interfaces trunk
コマンドは、Ciscoスイッチのインターフェースでトランク設定がされているポートに関する詳細情報を確認するための重要なコマンドです。このコマンドは、どのポートがトランクモードで動作しているか、各ポートが許可しているVLAN、およびネイティブVLANに関する情報を表示します。
show interfaces trunk コマンドの概要
show interfaces trunk
コマンドを実行すると、以下のような情報が得られます:
- Port:トランクとして設定されているインターフェース名
- Mode:インターフェースの動作モード(通常は「on」「auto」「desirable」など)
- Encapsulation:トランクに使用されるカプセル化プロトコル(例:802.1Q、ISLなど)
- Status:インターフェースの状態(「trunking」や「not-trunking」など)
- Native VLAN:ネイティブVLAN ID(通常はVLAN 1がデフォルト)
- Allowed VLANs:そのポートを通過可能なVLANの一覧
- Active VLANs:現在アクティブなVLANの一覧
どんな時に使うか
show interfaces trunk
コマンドは、以下のような状況でよく使用されます:
- ネットワークトラブルシューティング:あるVLANで通信ができない場合に、インターフェースが正しくトランク設定されているかを確認します。
- VLANの通過確認:トランクポートで期待されるVLANが許可されているかを確認し、特定のVLANの通過に問題がないかをチェックします。
- ネイティブVLANの確認:異なるスイッチ間でネイティブVLANが一致していない場合に、VLANの不整合が起こるため、トラブルシューティングの際に利用します。
- トランクの設定確認:新しいポートやインターフェースを設定する際に、設定が正しく反映されているか確認します。
コマンドの表示例
以下は show interfaces trunk
コマンドの出力例です:
Switch# show interfaces trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi0/1 on 802.1q trunking 1
Gi0/2 desirable 802.1q trunking 1
Gi0/3 auto 802.1q not-trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
Gi0/1 1-4094
Gi0/2 1-1005
Gi0/3 1-1005
Port Vlans allowed and active in management domain
Gi0/1 1,10,20
Gi0/2 1,10,30
Gi0/3 1
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
Gi0/1 1,10,20
Gi0/2 1,10,30
Gi0/3 1
出力内容の解説
上記の出力例に基づいて、各フィールドの詳細を解説します:
- Port:各インターフェースの名前です(例:
Gi0/1
はGigabitEthernet0/1を指します)。 - Mode:トランクモードの種類を示しています。
on
は常にトランクモードであることを意味し、desirable
やauto
は他のポートとネゴシエーションしてトランクを確立するモードです。 - Encapsulation:トランクポートで使用されているカプセル化方式(例:802.1Q)。
- Status:インターフェースの状態。
trunking
はトランクとして動作中であること、not-trunking
はトランクとして動作していないことを示します。 - Native vlan:ネイティブVLANとして設定されているVLANです。802.1Qタグなしのパケットは、このVLANに所属するものと見なされます。
- Vlans allowed on trunk:そのインターフェースを通過可能なVLANの範囲を示します。
- Vlans allowed and active in management domain:管理ドメイン内で許可され、アクティブなVLANです。これは、スパニングツリーが動作している場合に便利です。
- Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned:スパニングツリープロトコルのフォワーディング状態にあり、プルーニング(通信不可)されていないVLANです。
よく使用される場面
- 新規構築または変更時の確認:新たにインターフェースをトランクモードで構成したり、VLANの範囲を変更したりした際に、設定が正しく反映されているかを確認します。
- VLAN間通信トラブルの解決:通信が途絶えたVLANがトランクポートに含まれているか、他のスイッチで正しく設定されているかを確認する際に使用します。
- 設定変更の検証:ネイティブVLANの不整合や、許可されるVLANの範囲が他のスイッチと一致しているかの確認に役立ちます。