天空シリーズの第一作としての位置づけ(天空シリーズ第1弾)
ドラゴンクエスト4は、後のドラクエ5やドラクエ6へと繋がる「天空シリーズ」の第一作です。本作の大きな特徴は、全5章にわたって異なるキャラクターが主人公として物語が進行し、最終章で彼らが合流する群像劇の構成です。それぞれの章では個性豊かな仲間が登場し、勇者を導くために旅を重ねていきます。
第一章 王宮戦士ライアンの物語(子供失踪事件の解決)
物語はバトランド王国から始まります。周辺では子どもたちが次々と失踪する事件が発生。王宮戦士ライアンは調査に向かい、途中で「人間になりたい」と願うホイミスライムのホイミンと出会います。やがて事件の黒幕は魔物であり、目的は「天空の勇者を幼少のうちに葬ること」だと判明。ライアンは子どもたちを救い、勇者を守るため旅に出る決意を固めます。
第二章 サントハイムの王女アリーナの旅(おてんば姫の冒険)
次の主人公は、サントハイム王国のおてんば姫アリーナ。退屈な城の生活に嫌気がさし、仲間のクリフトとブライを連れて城を飛び出します。各地で魔物退治や誘拐事件を解決し、さらには武術大会にも出場。決勝戦の相手デスピサロは姿を消したため、不戦勝で優勝となりました。しかし帰還後、サントハイム城は無人となり、王国の人々が忽然と姿を消していたのです。アリーナ一行はその謎を解明すべく旅を続けます。
第三章 商人トルネコの夢(武器屋としての挑戦)
エンドールで武器屋を夢見る商人トルネコ。資金を貯めてついに念願の店を持ち、家族とともに暮らし始めます。やがて「天空の剣」の存在を耳にし、その伝説の武器を求めて旅に出る決意をします。さらに大陸間トンネルを開通させ、新しい世界の扉を広げる役割も果たしました。
第四章 モンバーバラの姉妹(父の仇を討つ旅)
踊り子マーニャと占い師ミネアの姉妹は、錬金術師だった父を殺したバルザックを追い、旅に出ます。キングレオ城でバルザックと対峙し撃破するも、新たな敵キングレオの力に圧倒され投獄。仲間オーリンの犠牲により脱獄に成功した姉妹は、更なる力を求めて旅を続けることを決意します。
第五章 勇者の旅立ち(村の崩壊と仲間たちの合流)
山奥の村に暮らす勇者は、平和な日常を送っていました。しかし突如襲来した魔物の軍勢により村は壊滅。幼なじみのシンシアは勇者を守るため命を落とします。孤独となった勇者は、世界を救う使命を背負い旅立ちます。
旅の途中で勇者は、トルネコ、マーニャとミネア、さらに病を患ったクリフトを助けたことでアリーナ一行とも合流。そして最後にライアンも仲間に加わり、「導かれし者たち」が揃うのです。
キングレオ城での因縁の戦い(仲間との合流後の初戦)
合流した勇者一行は、かつてアリーナや姉妹にとって因縁深いキングレオ城へ突入。ライアンとも再会し、共に戦います。最終的にキングレオを討ち果たし、バルザックをも撃破しました。しかし魔族の首領デスピサロの存在が明らかになり、旅はさらに大きな運命へと向かっていきます。
エスタークとの激戦(地獄の帝王復活)
魔族の集会を盗み聞きした勇者一行は、地獄の帝王エスターク復活の情報を得ます。アッテムト鉱山の奥で復活したエスタークと対峙。完全復活前だったこともあり、死闘の末に討伐に成功します。これにより勇者が本物であることが証明されました。
デスピサロの変貌(ロザリーの死と絶望)
ピサロの恋人であるエルフのロザリーは、人間によって命を奪われます。愛する者を失ったピサロは深い絶望に囚われ、怪物「デスピサロ」へと変貌。もはや人の心を失い、ただ人間を滅ぼすことしか考えなくなりました。
最終決戦 デスピサロとの戦い(絶望との対峙)
魔界の奥深くで勇者一行はデスピサロと最終決戦を迎えます。圧倒的な力を誇る怪物を相手に、長き戦いの末これを撃破。デスピサロは崩れ落ち、魔族の脅威は終わりを告げました。こうして世界に平和が訪れ、人々は勇者たちを称えました。
仲間たちの帰還と勇者の孤独(物語の余韻)
戦いを終えた仲間たちはそれぞれの故郷へ帰還します。ライアンはバトランドで王に仕え、トルネコは家族の元へ、アリーナたちはサントハイムへ。そしてマーニャとミネアもモンバーバラへと戻りました。
勇者だけは帰る故郷を失っていました。しかし、かつて命を落としたはずのシンシアが花畑に姿を現し、勇者と再会。導かれし者たちの物語は、哀しみと希望が交錯する余韻を残して幕を閉じます。