勝率を左右する第一歩(基礎コンボの習得)
ストリートファイター6で初心者が真っ先に行うべきことの1つは、「コンボの練習」である。格闘ゲームの基本ルールは、相手の体力を0にした側が勝利するというシンプルなものである以上、「当てた技からどれだけ効率的にダメージを稼げるか」が最重要のテーマとなる。
ここで練習すべきは、以下の2種類のコンボである:
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ゲージを使わない「ノーゲージコンボ」
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ゲージ(オーバードライブ、SAゲージ)を活用した「ゲージコンボ」
ノーゲージコンボは日常的な立ち回りで主に使用し、ゲージコンボは火力を一気に上げたい場面での切り札となる。どちらも実戦における価値が非常に高いため、両方を使い分けられるようにしておくことが鍵だ。
加えて、よく使う通常技から派生できる技の確認も怠らないようにしよう。例えば、リュウの中足から波動拳や竜巻旋風脚が繋がるかをチェックする。ヒット時のフレームや発生の早さなども関係するため、「繋がると思ったのに繋がらない」といった事故を防ぐための知識習得が必要だ。
また、通常技から通常技へのつなぎも重要だ。パンチから別のパンチへと繋ぐ連携技はコンボダメージを底上げする。小さな積み重ねが最終的な勝率アップへと繋がるため、トレーニングモードで自分のキャラクターの技の性質を調べることを忘れないようにしたい。
攻めを継続する知識(コンボ後の起き攻め)
コンボが成功した後、試合の流れを完全に支配するためには「起き攻め」の知識が必須となる。起き攻めとは、ダウンした相手が起き上がるタイミングに合わせて、再び攻撃や投げを仕掛けて主導権を握る行動だ。
例えば、リュウの竜巻旋風脚でコンボを締めた場合、相手がその場受け身を取ると投げが重なるが、後方受け身を選ばれると距離が離れ、同じ投げは届かなくなる。この違いを理解しているかどうかで、起き攻めの成否が決定する。
この状況に対応する方法としては以下が挙げられる:
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その場受け身対応: ダッシュして投げや打撃を重ねる
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後方受け身対応: ドライブラッシュ(高速移動)を使って距離を詰め、攻撃を継続する
コンボ締めの後、「どの受け身に何が重なるか」「受け身によって状況がどう変わるか」を知っておくだけで、与えられるダメージの総量が格段に増える。つまり、コンボで終わらず、その後の展開もセットで練習することが、上達への近道となる。
対戦中に「とりあえず中足竜巻を当てたけど、その後どうすればいいかわからない」という状況は非常に多い。だが、事前に調べておけば、例えば「前ダッシュ→投げ」や「ドライブラッシュ→打撃」といった選択肢を瞬時に実行できるようになり、流れを完全に掌握することが可能になる。
起き攻めの精度が上がることで、たった1回の中足ヒットが7000近いダメージに化けるという驚異的な結果にも繋がりうる。これは初心者と上級者の分かれ道とも言える要素だ。
実戦の疑似体験(CPU戦での体感強化)
コンボや起き攻めを覚えたら、次のステップは「動く相手に対して実際に試すこと」である。トレーニングモードの相手は動かないため、実戦に近い状況で練習するには、CPU戦が非常に有効だ。
なぜCPU戦が有効かというと、以下の理由がある:
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実際に動く相手に対してのタイミング感覚が身につく
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想定外の状況にも対応できる判断力が養われる
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コンボが「成功するか否か」の精度チェックになる
例えば、リュウで「ジャンプ攻撃→しゃがみ中パンチ→昇龍拳」という簡単なコンボをCPU相手に繰り返し練習すれば、いざネット対戦で同じ状況になった時に「体が勝手に動く」ようになる。これは、コンボを体に染み込ませるために最適な方法である。
また、CPUとの対戦中は予期せぬ行動や反撃が飛んでくるため、「自分のコンボが通らない場面」を知ることにも繋がる。対策を考える良い材料となるため、失敗を恐れずに積極的に取り組もう。
加えて、特定の状況を作りたい場合は、自分が設定した課題(例:ジャンプ攻撃からノーゲージコンボを決める)を繰り返し意識することが重要だ。実戦と異なり、焦らず何度でもやり直せる環境を活かすことで、練習の効果を最大限に引き出せる。
シンプルに始めて、徐々に拡張(コンボ数と精度の管理)
初心者が陥りやすいのは、「たくさんのコンボを一気に覚えようとして混乱する」というパターンだ。確かに火力を出すには複雑なコンボも重要だが、それよりも「簡単なコンボを確実に決める」ことの方が、勝率アップに直結する。
実戦で使えるようになるまでのステップ:
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ノーゲージコンボ1本を覚える
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ゲージコンボ1本を覚える
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起き攻めの1パターンを覚える
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CPU戦でそれらを繰り返す
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ネット対戦で成功体験を積む
このように、少数精鋭のセットを繰り返し体に覚え込ませることが、最も効率の良い上達方法だ。練習量が増えると、自信もつき、対戦中のミスが減っていく。
起き攻めは読み合いの起点(選択肢の管理と応用)
起き攻めには「投げ」「打撃」「ガード崩し」「ドライブラッシュで距離詰め」といった選択肢が存在する。それぞれにカウンター手段があるため、どれを選ぶかの判断力が試される。
例えば、相手が後方受け身を多用する傾向にあるなら、ドライブラッシュで一気に距離を詰めて打撃を重ねる。逆に、ガードが堅い相手には投げを混ぜて崩すといった「癖読み」を意識することで、勝率に大きく影響が出る。
このような駆け引きが格闘ゲームの醍醐味であり、ただのコンボ練習だけでは得られないスキルである。
継続が最大の武器(練習の質と楽しさ)
最終的には、「自分に合った練習方法を継続できるか」が重要となる。今回紹介した3つのステップ:
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コンボ練習
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起き攻めの理解
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CPU戦での実践
は、格闘ゲームの基礎を形作る非常に有効な手段である。しかし、万人に合うとは限らず、自分のペースや興味に合わせて取捨選択することも大切だ。
無理なく、楽しく、続けられること。それが最短で上達するための本質であり、ストリートファイター6を長く楽しむための秘訣でもある。
「少しずつできることが増えていく」感覚こそが、上達の証。焦らず、着実にステップアップしていこう。