はじめに
ネットワーク通信障害の原因特定は多岐に渡ります。
プログラムのバグを発見するのと同じで、何が原因かは経験者による予想、想定を行い1つづつ原因を探っていく必要があります。
・設定が間違っている
・機器の不具合のせいで疎通できない
・機器のキャッシュが残っており疎通できない
・宇宙線の影響
等本当に多岐に渡ります。
ここでは、総当たりとなりますが、これだけは確認した方がよいコマンドと解決方法を記載します。
本記事で出てくるコマンド及び通信不可時に取得した方がよいコマンド
show arp
show cdp neighbors
show mac-address-table
スイッチ、ルータに接続した機器に疎通できない場合の確認ポイントと確認コマンド
show arp
通信不可の想定原因
ARPテーブルが更新されていない
確認事項
ARPテーブルの情報が最新となっているか
ARPテーブル内に接続した機器のIPアドレスが存在するか確認
存在してもMacaddressも接続した機器のMacaddressかも確認する
コマンド | コマンドの結果 |
show arp | ARPテーブルの表示 |
Router#show arp
Load for five secs: 4%/0%; one minute: 1%; five minutes: 1%
Time source is NTP, 19:59:24.103 JST Wed Nov 15 2023
Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface
Internet 192.168.135.129 246 cc16.7e46.eef4 ARPA GigabitEthernet1/0/1
Internet 192.168.135.130 - c014.feef.a6f4 ARPA GigabitEthernet1/0/1
Internet 192.168.135.137 54 cc16.7e46.ee0c ARPA GigabitEthernet1/0/11
Internet 192.168.135.138 - c014.feef.a7d7 ARPA GigabitEthernet1/0/11
Internet 192.168.135.145 - c014.feef.a7d1 ARPA Vlan100
Internet 192.168.135.146 46 c014.feef.a651 ARPA Vlan100
Internet 192.168.135.147 193 cc16.7e46.eff4 ARPA Vlan100
ARPテーブルの行数が多い場合は、フィルターでピンポイントに確認
show arp | include <ip address>
例:show arp | include 192.168.1.2
Router#show arp | include 192.168.135.129
Load for five secs: 4%/0%; one minute: 1%; five minutes: 1%
Time source is NTP, 19:59:24.103 JST Wed Nov 15 2023
Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface
Internet 192.168.135.129 246 cc16.7e46.eef4 ARPA GigabitEthernet1/0/1
解決策
コマンド | コマンドの結果 |
clear arp | 0〜2回のARP要求をリトライする。(回数はタイムアウト値の設定による) リトライしても応答がない場合は、ARPテーブルから削除する。 |
よくある原因
よくあるケースとしてネットワーク機器に接続されている機器を更改(入れ替える)する場合に、IPアドレスは同じで更改することが多く、ARPテーブルが更改前の機器のMacアドレスで登録され続けている場合があり、それが原因で通信できない事があります。
show cdp
通信不可の想定原因
物理接続している対向機器が間違えている
物理接続している対向機器のポートが間違えている
確認事項
物理接続が想定と相違がないかを確認
コマンド | コマンドの結果 |
show cdp | CDPの情報を得る |
show cdp entry | 特定の隣接Cisco機器の情報を表示 |
show cdp interface | CDPが動作しているインタフェースの情報を表示する |
show cdp neighbors | 隣接Cisco機器の簡易情報を表示 |
show cdp neighbors detail | 隣接Cisco機器の詳細情報を表示 |
Router_A#show cdp neighbors
Capability Codes: R - Router, T - Trans Bridge, B - Source Route Bridge
S - Switch, H - Host, I - IGMP, r - Repeater
Device ID Local Intrfce Holdtme Capability Platform Port ID
Switch_A GiEth 0 179 T S WS-C23750 Gi 0/1
Router_B GiEth 0 123 R 2960 Gi 0/0
解決策
物理接続が想定と間違っていた場合は、想定通りに物理接続を行う
よくある原因
hsrp,ospf,bgp,port-channnelなどの対向とのやり取りが発生する設定時に、うまく動作しない時は、まずは物理的に間違えていないか確認をしましょう。
すごく基本的な所ですが、設定はあっているのにうまく機能しない時は物理接続を
疑いましょう。
show mac-address-table
通信不可の想定原因
MACテーブルが更新されていない
物理接続している対向機器が間違えている
物理接続している対向機器のポートが間違えている
確認事項
MACテーブルの情報が最新となっているか
物理接続が想定と相違がないかを確認
コマンド | コマンドの結果 |
show mac-address-table | MACアドレステーブルを表示 |
show mac-address-table aging-time | MACアドレステーブルのエージングタイムを表示 |
show mac-address-table dynamic | MACアドレステーブルのダイナミックエントリを表示 |
Router_A#show cdp neighbors
Capability Codes: R - Router, T - Trans Bridge, B - Source Route Bridge
S - Switch, H - Host, I - IGMP, r - Repeater
Device ID Local Intrfce Holdtme Capability Platform Port ID
Switch_A GiEth 0 179 T S WS-C23750 Gi 0/1
Router_B GiEth 0 123 R 2960 Gi 0/0
解決策
1.MACテーブルを削除する
コマンド | コマンドの結果 |
clear mac-address-table dynamic | MAC 転送テーブル内のすべてのダイナミック アドレスをクリア |
2.物理接続が想定と間違っていた場合は、想定通りに物理接続を行う
よくある原因
hsrp,ospf,bgp,port-channnelなどの対向とのやり取りが発生する設定時に、うまく動作しない時は、まずは物理的に間違えていないか確認をしましょう。
すごく基本的な所ですが、設定はあっているのにうまく機能しない時は物理接続を
疑いましょう。